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学長ごあいさつ

伝統を守り伝統を創る
「これまで」を決めるのは「これから」

神戸常盤大学・神戸常盤大学短期大学部は、1908年(明治41年)、神戸中山手通りに創立された「私立家政女学校」をルーツとしています。近隣の人びとが女子教育を目的として、わずかな額ではあっても庶民には貴重な資金を出し合って設立されたと伝えられています。地域住民の熱い思いから生まれ、庶民の実学を建学の精神に持つこの小さな女学校は、その後、神戸常盤短期大学(1967年開学)、そして神戸常盤大学(2008年開学)へと成長していきます。

本学は、医療・看護・教育の分野で、いのちに寄り添い、いのちを支える専門職業人の育成を社会的使命としています。少人数教育のもと、初年次教育にも力を注いできました。同時に、阪神・淡路大震災でもっとも大きな被害を受けた神戸市長田区にある唯一の大学として、さまざまな地域活動に取り組んできました。町なかで運営する「子育て支援センター」、健康の向上を目的に毎秋キャンパスで開催する「健康ふれあいフェスタ」などがその例です。私立家政女学校の頃の地域と実学の精神は、多くの近隣の方々と本学の教職員・学生との交流のなかで現在も息づいています。

こうしたなか、本学の「地域子育てプラットホームの構築を通したAll-Winプラン」が、文部科学省の平成29~33年度私立大学研究ブランディング事業に採択されました。商店街に広いスペースの「子育て総合支援施設」を設け、保護者、地域住民、大学などが一緒になって子供たちの成長を後押ししようというものです。神戸市や兵庫県の協力も得ることができました。これを機に、地域と共に歩み、広く社会に貢献する大学の姿を一層明確にしていきたいと思っています。

学長
濵田 道夫